運営事務所:行政書士オフィスプラス
〒285-0023 千葉県佐倉市新町180-2-101(京成線佐倉駅 徒歩7分)
企業主導型保育事業の助成金は、保育園の工事にかかる助成金と、開園後の運営にかかる助成金の2種類があります。
・整備費助成金(基本工事費 + 工事事務費 + 加算金)
・運営費助成金(基本分 + 加算分)
整備費は「保育園の工事費用(経費)」に対する助成金で、運営費は「運営に必要な経費」に対する助成金です。
助成金=必要な経費に払われる金額
各助成金には、基本となる助成金の他、該当する工事や事業に応じて加算される助成金があります。
事業計画策定の段階から、各助成金の種類や加算要件等の理解を深めることはとても重要です。
以下詳細を説明しますので、保育事業計画をしっかりとプランニングして、御社が必要な助成金を申請し交付を受けましょう。
整備費は保育園を設置するための工事経費に対する助成金で、①基本工事費、②工事事務費、③加算金の3つの助成金で構成されています。
また、工事は次の3種別に分類されます。
<工事の種類>
創設工事・・・建物を一から新築する工事
増改築工事・・既存の保育施設の増改築工事
改修(修繕)工事・・・既存建物等を改修する工事→令和2年度は整備費申請から除外され、運営費申請において「改修支援加算」として申請
整備費助成金の③加算金は、工事の種類によって対象となるものと、ならないものがあります。
基本の工事費(基本単価)は、保育施設の規模によって上限となる助成金単価が異なります(カッコ内は都市部単価)。
・定員20名以下・・・7580万円(8360万円)
・定員21~30名・・・7950万円(8760万円)
・定員31~40名・・・9260万円(1億190万円)
・定員41~70名・・・1億550万円(1億1600万円)
・定員71~100名・・・1億3710万円(1億508万円)
・定員100名以上・・・1億6470万円(1億8130万円)
見積書(2社取得し低い方が採用、内1社は入札参加資格を有すること)、助成金所要額が1億円を超える工事は原則入札(予定価格調書)で決定。
但し、見積書に記載された全ての工事が助成金の対象となるわけではなく、助成金の対象となる工事と対象外になるものがあります。
上記基本単価を上限として、助成金の対象と認められた工事費の4分の3が基本助成金となります。
※対象と認められた工事費=「対象経費の実支出額」
保育施設の工事に必要な事務経費の助成金です。
工事施工のために直接要する費用を指し、設計監理料や通信運搬費、印刷製本費等が対象となります。
助成金額は、上記工事費の2.6%に相当する額が限度となります。
また、複数の企業による共同設置等により企業間で準備を行う場合には、別途100万円を加算した金額が上限になります。
加算金は工事種別により加算対象の可否が異なります。
環境改善加算 /対象工事:創設、増築、改修(修繕)
建物の入口周辺等を、児童や送迎者のために環境整備する場合に加算(例:スロープ工事)
特殊付帯工事加算 /対象工事:創設、増築、改修(修繕)
水再利用、ソーラー等の資源有効活用の整備にかかる加算
設計料加算 /対象工事:創設、増築
工事費の5%が限度(千円未満切り捨て)
開設準備加算 /対象工事:創設
作り付けの棚・下駄箱等を整備するための加算
土地借料加算 /対象工事:創設
新たに土地を賃借して整備する場合に、工事期間中の土地賃借料について加算
賃借料加算 /対象工事:改修(修繕)
工事期間中の賃借料について加算
地域交流・一時預かりスペース加算 /対象工事:創設
子育て支援スペースまたは預かりサービス(一般型)の整備費加算
病児保育加算 /対象工事:創設
病児保育に必要な保育室および安静室を整備する場合に加算
それでは実際に整備費の助成金はいくらぐらいもらえるのでしょうか?
定められた上限の範囲で工事経費の75%が助成金の対象となりますが、先述のとおり全ての工事が助成金の対象となるわけではありません。
例えば測量費や外構工事、厨房設備や保育備品等は対象外です。
<総工事費5000万円の内、対象外工事費500万円の場合>
5000万円-500万円=4500万円×75%=助成金額3375万円
なお、対象外工事の中でも、工事方法によっては例外的に認められるものもありますので、しっかりと把握し整備計画を立てるとよいでしょう。
その他、創設費用の融資を受ける場合、「財産処分の制限」に該当する場合がありますので留意が必要です。
令和2年度より、既存建物の改修工事(修繕)費にかかる助成金は、整備費ではなく運営費の「改修支援加算」として申請・助成されることになりました。
改修支援加算は、「認められた工事費の75%」と「定員数毎に定められた上限額」のいずれか低い方の金額の10分の1を、10年間を限度に加算金として交付されることになっています。
(定員毎の上限額)
・定員19名以下 1500万円/1事業
・定員20~59名以下 2400万円/1事業
・定員60名以上 4500万円/1事業
上記の他、児童の安全性を目的とした建物入口周辺の環境整備にかかる費用について、加算金(上限1138万円)も設けられています。
工事が無事完了したら、いよいよ開園ですが、開園前には備品購入や広告、人件費等の経費が発生します。
事業者様は工事の完成と並行して「開業準備」を進めていくことと思います。
運営費は「運営に必要な経費」に対する助成金と説明しましたが、これは開園後の経費をさしています。
そのため、運営開始前の支出(開業費)は、助成金(経費)の対象にはならないのです。
それではどのようにして開園前後の経費を申告するのでしょうか?
経費の申告は、年度終了時の「年度報告(完了報告)」にて行います。年度報告は、当該年度の運営費について収支報告等を行うものです。
収支報告は、一年間にもらった助成金の使途を報告するものですが、開業費は運営費助成金をもらう前に発生した支出であるため経費計上の対象外となります。
もらった助成金よりも支出(経費)が少ない場合、助成金余剰金の返還が生じることもあります。
以下、実際にもらえる運営費についてご説明します。
先述のとおり、「助成金=必要経費に払われるもの」です。
ただし、運営経費は整備費と違って事前にいくら経費がかかるか分かりません。
そのため運営費の助成金は、一定のルール(基準)と毎月の運営状況に基づき算出され交付されます。
運営費は「基本分」と「加算分」がありますが、ここでは基本分についてご説明します。
<運営費の基本分助成金算出のベースとなるもの>
地域区分、定員区分、年齢区分、保育士比率、開所曜日区分※、開所日数※、開所時間※、利用日数
※「開所の時間・曜日は自由?」ページ参照。開所日数は月途中入所児童等の助成金額に影響。
基本的に地域区分(場所)や定員区分(施設定員数)は毎月同じ基準になるはずですが、利用児童の年齢や利用日数、開所日数等は利用状況に応じて毎月変動することがあります。
そのため、運営費は開園後に毎月実績の報告(※月次報告)を行い、運営状況に応じて助成金が算出されます。
利用者や開所日数が多ければ必然的に経費も増えます(助成金が多くなる)が、利用者等が少なければその分必要経費も減る(助成金も少なくなる)という考え方です。
上記を元に基本分助成金が算出された後、「利用者負担相当額」が控除され助成金が交付されます。
それでは、実際にもらえる助成金額を具体的に計算してみましょう。
<共通条件>
・12/100地域
・定員19名(0歳児10名、1~2歳児9名利用時)
・保育士比率100%
・11時間開所
上記条件の元、週6日開園した場合の1か月の助成金は約337万円です。
一方、同じ条件の元、週7日開園した場合の1か月助成金は約418万円になります。
また、上記共通条件のうち基本開所時間が13時間で週7日開園している場合、助成金は約507万円となります。
開園日数や営業時間が増えると必要経費も当然増えるため、助成金額は高くなります。
なお、上記各助成金額は、利用者負担相当額が控除された後の金額です。事業者は控除された利用者負担相当額分を利用者より利用料として徴収する仕組みとなっています。
2019年度の運営にかかる各助成金額は、増加したものが多く見受けられます(3歳児以上の基本助成単価は無償化に伴い10月より減額)。
また、1年間を通じて「もらった助成金」より「実際にかかった経費」が下回る場合、助成金の返還が生じる場合もあります。
※「助成金の返還と積立」ページ参照
基本分の運営費同様、処遇改善加算も運営状況に応じて毎月算出されます。
処遇改善加算にはⅠとⅡがありますが、特にⅡについて留意が必要です。
処遇改善加算Ⅱの対象職員に対する基本的な毎月の支給額は、4万円(副主任等)と5千円(分野別リーダー)と固定されており、その支給方法は毎月払いに限定されています。
利用者が少ない場合、これらの設定金額よりも処遇改善加算金額が下回ることもあるため、不足が生じる場合は企業負担となります。
また、処遇改善加算金は職員の賃金改善以外の目的に使用することは一切認められません。
企業のサポートによって、職員のキャリアアップ・長く働くことができる職場環境を構築することが求められています。
企業主導型保育事業の助成金は、保育園の設置や運営の必要な経費について国の助成金を受けられますが、細かなルールが設けられています。
本事業を実施する上では、これらの規定を正しく理解し運営することが求められます。
企業主導型保育事業をご検討の際は、細やかな運営細則に気を配り、ルール違反のない運営を行う必要があります。
本事業は成長途中の制度であり、次々と新たなルール等が設けられています。
開園後も児童育成協会が発表する通知等に目を通し、しっかりと把握しましょう。
当事務所では、保育所関連手続きをメインで取り扱っており、企業主導型保育事業については制度開始間もない頃から培ってきた豊富な経験があります。
また、現在進行形で全国の多数の企業様のサポートを行っているため、常に生きた最新の情報を入手しています。
工事規模や動向に合わせて申請手続き全体の見通しを立て、具体的な事業計画のアドバイスをいたします。
また、無事開園したものの、分からない事が多くお困りの企業様より多数ご相談を頂いてります。
月次報告の修正および申請業務と合わせて、適切な保育園の運営が行えるようサポートさせていただきます。
企業主導型保育事業の開設・運営にお悩みの際は、当事務所までどうぞお気軽にお問い合わせください。
ご面談、ビデオ電話、電話・メール等にて、全国の企業様の状況に応じたサポートをご提供させて頂きます。
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